クラウドファンディング:知財費用調達と疑問

2019.12.18

 1か月ちょっと前、クラウドファンディングと知財をテーマに座談会を開催しました。
 https://www.jpaa-kanto.jp/chizai_seminars/jpaa-kanto2019/seminar/tokyo/2019-10-29/index.html

   
 写真は当日の風景 MC:私

 事前打ち合わせの範囲外で、不意に頭に浮かんで出した話題があります。

 それは、
 クラウドファンディングで集めるお金は将来使うものに限られるのか?
 それとも、
 既に使ってしまった費用を埋める目的のものでも良いのか?
 ということです。

 多くのプロジェクトは将来必要となる資金を集めることを目的としています。

 そのような中で、商標権取得や特許権取得のための費用を調達資金の使途に含めているプロジェクトもそれなりに存在します。

 ただ、商標とする名称を特許としたい技術概要を公開し、2~3カ月の調達期間を待って出願、では遅すぎます。それを見た第三者が先に出願する恐れもあります。

 であれば、プラットフォーム上で公開する前にせめて出願だけでも済ませておきたいところです。

 その場合に、既に使ってしまったお金をクラウドファンディングで集めたい、というのはクラウドファンディングプラットフォームを運営する事業者的にOKなのか?NGなのか?が謎です。

 回答はOK(既に使ったお金を集めるものであっても良い)でした。

 ですので、多少のお金はかかったとしても、少なくとも出願だけは先にしておいた方が良いと言えます。そのための費用捻出も難しいというのであれば、後は費用の支払いについて弁理士と交渉ですかね(事情を話せば柔軟な対応をする弁理士は割といるんじゃないでしょうか?)。

 一方、クラウドファンディングは資金を提供したいと思わせること、すなわち共感が得られるかが重要な要素です。

 露骨に知的財産権取得のための費用のみを資金調達の目的とした場合、はたして共感する人がどれだけいるのか?これをうまく乗り越えていかねばなりません。見せ方の問題でしょうけど。

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