本日、キビダンゴを訪問し、創業者支援や知財対策に関して意見交換してきました。
私からは
・創業時にCFを活用し、かつ、成長しつづけている事業はあるのか?
・そうした事業者にどのタイミングで金融機関がお金を貸してくれるようになったか?
といったことを聞いてみました。
個人的には、CFで新規事業資金の全てを調達するのはなかなか大変なのではないかと思います。普通は、自己資金+CF調達資金、でしょうか?
また、運転資金を安定的に調達するには金融機関からの借り入れも視野に入れる必要があります。ただ、何の実績もない人に何千万円も融資してくれる金融機関はないでしょう。
CFプロジェクトが成功したら金融機関は評価してくれるのか?そういった疑問もあります。
以下、やりとりをQ&A形式で記載します。
私:CFサービスが世にでてきて、それなりの月日が経ちました。CFで目標金額を達成し、今も事業がうまくいっている人っていますか?
A氏:結構いますよ。そうした人の中にはCFを事業ツールの一つとして繰り返し活用している人もいます。
私:例えばどんなプロジェクトがあるのでしょうか?
A氏:殺処分になる猫を保護する考えから始まった猫カフェのプロジェクトがあります。
「保護猫カフェ ネコリパブリック東京を御茶ノ水にOPEN!保護猫達が人と触れ合い幸せになるチャンスが生まれる最高の場を作りたい」
私:この方のビジネスはいつ頃から始まったのですか?
A氏:2014年頃だったかと思います。猫好きの人から資金を集め、猫カフェを立ち上げ、今ではグッズなんかも展開しています。うちのリピーターでCFだけで数千万円資金を集めています。
私:カフェを舞台に人のつながりとかサービス、商品の展開など、単なる慈善事業ではなく、ビジネスとして様々な広がりができているようですね。
A氏:そうです。民間企業ではネスレやシマホなんかとコラボしています。
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私:ここまで来ると金融機関は喜んでお金貸してくれそうですね。CFでのサポーター(支援者)の数、資金調達額っていうのも対外的な説得力が大きいように見えてきます。
A氏:CFが出てきた当時、金融機関はCFを敵視している部分もありましたが、協業する余地の方が大きいと見ています。金融機関がどう見ても判断しかねる実績のない事案はCFに向いています。CFなどで実績がでてくれば金融機関も融資判断がしやすくなるでしょう。そうした事業のタネを金融機関とCFで役割分担しながら対応していければ創業者支援はかなり前進かもしれません。
私.ところで、最近のプロジェクトは写真にしても、動画にしても、以前に比べてかなり凝っているようですが。これらは資金調達に重要な要素ですか?
A氏:めちゃくちゃ重要です。写真などの見せ方が閲覧者に響くか、そうでないかは支援者数にものすごく響いてくるという実感があります。ただ、写真とかデザインとかは最近分業化していて、実行者が自ら全てやるという感じでもなくなってきています。
私:苦手な部分は人に頼めるとしたら、結局はプロジェクトのコンセプトが大事ってことですかね?
A氏:そう思います。
こんな感じです。
具体的にどんなタイミングで金融機関の態度が変わっていくかはケースによるのでしょう。上の例では民間企業とのコラボなんかも金融機関にとって大きな判断要素になり得るのではないでしょうか。
こうしたCFプロジェクトは支援者が多くなるほど情報が拡散していきますし、コラボしたいと思う企業の目に触れる機会も大きくなっていきます。
一方、CFは事業化前のネタを先行公開する情報の宝庫とも言えます。
そこを狙って、おもしろそうな製品などの情報をCFから仕入れ、海外でいち早く模倣品を作ろうとしている輩もいるようです。
どのような情報を公開するか、どの部分を権利として押さえておくか、ますます重要になってくるでしょう。知財に関しては別の記事で。