企業と学生のコラボ(その2)

2017.05.12

 前回の「企業と学生のコラボ(その1)」はメーカーの新商品を考えることをテーマにしたものでした。

 今回はサービス業とのコラボを紹介します(今回は知財知財した話ではありません。学生の“知”をいかに企業施策として役立てるかという目線で見ていただければと思います)。

 前回同様、授業2回分(1回90分)を費やしました。

 今回の企業は警備業(株式会社セノン)です。
  

 警備業は国内に9,500社もあります。
 その中で該社は従業員8,600人売上高300億以上の大規模企業です。

 東京オリンピックテロ対策など警備ニーズの重要性は年々高まっています。
 さらに警備業という業種はドローンの活用などハイテク化していく要素が多く、業務範囲も単なる警備にとどまらずビルメンテナンスや医療事務など拡大の余地が大きい分野でもあります。

 しかしながら該社人事担当者によると採用には苦労しているようです。

 “警備業”というと体育会系とかガードマンなどイメージが先行するらしく就職先として敬遠する学生が多いとのことです。
 採用後に義務付けている最低2年間の現場経験もネックになっていると聞きました(現場を知ってこその仕事でしょうからこの点は仕方がないことなのかもしれません)。

 今回はこの就職先として不人気をいかに改善するか(いかに良い人材を集めるか)という該社の課題をテーマにしました。

テーマ:この業界のイメージを変えるPR活動

体育会系出身の男性カラーが根強くあるイメージを多く持たれている。このイメージを変え、より多くの人に興味を持ってもらうためにはどのようなPR活動が必要か?

 今回も前回同様の流れとしました(以下)。
 
 

 今回のテーマはまさに学生目線を活かせるものだったと思います。

 出てきた提案例としては、女性の採用率を高めるために該社で働く女性社員のライフスタイルを紹介する、会社紹介の冊子には女子学生が興味を持つよう女性誌のような表紙にすべき、といった女性学生ならではのものからホームページだけでなくツイッターなどのSNSを利用することは必須という今の学生の情報収集実態を鑑みたものまで様々でした。

 該社の評価が最も高かったのが以下のものです。

イベントブースで空港手荷物検査における金属探知検査を体験してもらう。例えば金属を体に隠す役、それを探知機で探す役など楽しみつつ仕事を理解してもらうイメージである。また、企業説明会でもこれをやって業務理解を深めてもらう。

 業務を肌で体験したいという学生からの提案でした(警備業という分野はその業務の性質上、インターンの受け入れができません)。
 本提案は有効な施策として採用されました。

学生コラボの有効性について

 今回はまさに学生目線が活きるテーマでした。

 商品開発、サービス開発に関しても同様に考えて展開できる分野は多いと考えます(その場合の知財の留意点については前回記事参照)。

 何か紹介できるものが出てきたらアップします。

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